認知症とこだわり 
「この時期は毛虫の卵がビッシリ産みつけてあるからやめよう」
と言ったら物凄くイヤな顔をされました。

認知症の人は一度こだわりだすとその事に集中してしまい、なかなか抜け出せなくなります。そして介護者がどんなに柔らかく説得しても、いや、すればするほどこだわりが強くなっていきます。

母江さんの場合「外出先の草花を我が手中に収めたい」にメチャクチャこだわるんです。認知症としてはまだ軽度の母江さんですから、なんとか説得したり気をそらしたりして対応できております。しかしあまり言いすぎると「アンタは私を思い通りにしたいんでしょ!まったく!こんなの取っても誰も何も言わないわよ(プンプン)」となります。

原因を探る
もともと自然豊かな場所で育った母江さんですから、そこらの草木をむしり喰っても全く問題なかった幼少期。この自由を私(介護者)に阻害されているようで腹立たしく感じてしまうみたい。
だとしても「OK!俺と一緒に公園の桜をブチブチ取ってたらふく食べてやろうぜ!」と同意して器物損壊に加担するわけにもいきませんw
でも原因を探る事で介護者が「理解する」事ができます。これはとっても大事な事だと私は思っています。認知症の世界を理解すると介護者のイライラがスッと消える場合がありますから、本人の話をよく聞いて何故そこにこだわるのか、考えてみると良いかもしれません。

気をそらす
じゃあどうするかと言うと「あ!あそこに変わった花が咲いてる!」と場所移動したり「あ!いけない!今日の夕飯考えてなかった!何が食べたい?」と全然違う話をしたり、とにかく気をそらします。
※母江さんの場合は、この最初の「あ!」が大変有効です。ちょっとだけビックリ→平和な話題や興味ある事を入れるとガツンと食い付いてきます。ただしあまり続けると「話題かえてごまかさないで」とハッキリ言われてしまった事もあるのでw色々なバージョンを用意しておくと良いかもしれません)

その他
第三者に入ってもらう、先手を打つ(見えないようにする等)、問題がなければそのままにしておく、地域の理解や協力を得る…などがあります。こだわりの原因をみつけて、それに合った対応をしていくとこだわりが弱まる可能性があります。
(でも第三者とか地域の協力等はホント難しいですよね…認知症でも安心して暮らせる地域作り…私も協力したいなぁと思いました)

こだわりは長く続かない
介護の教科書にはこのありがたい文字『こだわりは長く続かない』が書かれていました。これが事実だとしたら介護者にとって何と希望に満ちあふれた文字列か…!!でもこれは私の経験上ですが「AのこだわりからBのこだわりに移行する」という方が多い気がしました。こだわり自体がなくなる方(筋力の衰えや認知症の進行が原因…?)もモチロンいらっしゃいました。確かに長くは(一年程度)続かないのですが…
でも「AよりBの方が対応しやすい!」とか「Bならご近所さんの迷惑にならず一安心」とか良い方向に転換する事もあります。
きっと突破口はあると信じて…
…あと、桜は毒があるっぽいので食べちゃダメらしいですww