認知症だって覚えられる
兄助は仕事が忙しく年に一回会う程度なので、母江さんは存在自体をポコンと忘れちゃいます。まだ説明すれば思い出してくれますが…w

海馬は記憶の番人のようなもので、人間が見聞きする全ての情報を一時保管してくれます。保管している間に何度もその情報が出し入れされれば「おっ、コレは重要な情報だな」と大脳皮質にバーンと張り付けてくれるのです(長期記憶)
例えば「卵焼きの作り方」を覚えて毎朝作って(情報の出し入れ)いれば大脳皮質が長期記憶として覚えてくれます。
一方「朝食は卵焼きだった」というあまり重要でないエピソードを覚えても、一定期間この情報を使う場面が無ければ海馬は必要ない記憶として「朝食は卵焼きだった」というエピソードは大脳皮質に張り付けず捨てて(忘れて)しまいます。

母江さんはアルツハイマー型認知症なので海馬と大脳皮質両方の萎縮がみられます。かと言って両方ピクリとも機能しないわけではなく、何度も何度も「旦那はいるのか」「いるよ」の繰り返しをして大脳に張り付けることができたわけです(張り付けても調子の良し悪しで取り出すことができない時もあります)

しかし「根気よく何度も何度も言って分からせる」というほど単純なものでは無いと思います。記憶の貼り付けは本人の興味や感情にも左右されますから、私は母江さんに対して
「過度の期待はせず、かと言って最初からあきらめない」
ぐらいのスタンスで会話をするようにしています。
ちなみに母江さん、毎日薬を飲んでるのにまったく覚えてないんですよ。もう一年ぐらい飲んでるのに。多分薬についてはいっさい興味ないんでしょうねw 

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