高齢者の身だしなみ


認知症になるとおっくうになり身だしなみは後回しに

認知症になるとあらゆることに無気力、無関心になりがちです。ついおっくうに思い
「今日はいいか、誰が困る訳でも、誰かが自分を見てる訳でもなし…」
と徐々に身だしなみに気を使わなくなってしまいます。
また、腕が上がらない、髪を梳かすと疲れてしまう、洗面所まで歩けない…という体の状態が原因の場合や、道具の場所がわからない、やる事自体を忘れてしまうなど様々な要因が重なって「後回し」から「やらない」に行きついてしまいます。

やらなくても命に別状は無い「整容」…でもメリットは沢山あります

ポジティブになって積極性が生まれる
身なりを整える事で無意識のうちに心地よい緊張感とポジティブな感情が生まれ積極的になる…とか教科書には書いてありますがw頭グッチャグチャだったのに綺麗に整ったら外出したくなります。もっと言えば
「明日からスーパーモデルの身体を貸してもらえる」
ってなったらどうでしょう。私だったら超ウッキウキで外出しますw
まぁこれは大げさですけど、でも身綺麗になったらちょっと嬉しいし積極性が出るのわかりますよね。

整容はオンオフの切り替えスイッチになりやすい
朝起きてぼんやりしたまま朝食を食べてテレビを見て…という生活の中ですとオンオフのスイッチを入れる機会があまりありません。
しかし髪を梳かしたり髭を剃ったりすると生き生きとしていた昔を思い出し、気持ちがシャンとして「よそ行きモード」にスイッチが入りやすくなります。
一日の流れにメリハリができれば、認知症の進行を遅らせる基本「規則正しい生活」に繋がり、健康面でも充実した日常を送ることができます。

身なりを整えたらキチンと褒める

おだてたりお世辞を言ったりするのではなく、良いところを見つけ心から「いいね!」と言葉に出して伝えると本人も自信を持ち、社交性が向上するなどの効果をもたらします。
ご家族が介護者の場合だとどうしても「照れ」が先に出てしまいなかなか褒められない方もいらっしゃるようですが(実際私もそうでした)認知症の方を介護する際「褒める」はとても重要なテクニックです。楽な介護につながるスキルですので「照れ」はできるだけ早めに吹っ飛ばして下さいw

注意点

・外出モードにスイッチが入った事で徘徊につながる可能性がある方は、時間帯や介護者の見守りができる状態かどうか注意が必要です。

・本人にやる気がない場合、無理にすすめたりせずに本人の得意な事だけやってもらい、苦手な動作は介護者が手を貸す程度で十分です。介護者側の理想を押し付けたり叱ったりするのはNG。関係が壊れてしまい、他の事にも拒否が出て介護がうまく回らなくなります。


最初はおっくうがるかもしれませんが、本人が身だしなみに対してポジティブなイメージを持てれば続けているうちに習慣化できるかもしれません。
母江さんの場合も最初は嫌がっていたのですが、一年経った今では朝食後に「整容ボックス」を置くだけで
「あらもうそんな時間?」
と手櫛で髪をいじるようになりました。髪を結って纏めるのは私がやりますが、その後は手を貸さなくても母江さん一人でお化粧をしてくれます。髪を結う事で次の一歩(お化粧)に進めたのだと思います。