Amazonで格安の南京鉋を購入してみた|使用感や仕込み方法を詳しく解説

藤元の南京鉋 DIY

先日Amazonにて格安で販売されている「藤元」の南京鉋を購入してみたので、実際に手にとってみての感想をみなさんにシェアできればと思います。

結論から言うと、今まで鉋を使ったことがないような「超初心者」には不向きな商品だと感じました。
逆に鉋について知識がある人には、コスパが良いオススメの商品だと思ったので、これらの理由について詳しく解説していきたいと思います。

最後に鉋台の仕込み方法も解説しているので、よかったら参考にしてください。

南京鉋とは?

南京鉋は曲線形状の加工に適した鉋で、一般的な長方形の鉋と違って横長になっているのが特徴的です。椅子やカトラリーなどの製作によく使用されています。

藤元の南京鉋を手にとってみての感想

今回はAmazonで販売されている藤元の南京鉋を購入しました。
鉋刃幅は15mmと小さめの南京鉋で、価格は税込2,610円(5/1時点)ととても安かったです。

それでは早速開封していきたいと思います。

開封

とてもシンプルな箱が届きました。

中身は干渉材の新聞紙と注意書きと袋に包まれた南京鉋が入っていました。
刃物はすでにセットされています。

商品の状態・クオリティー

鉋台の状態

鉋台は白樫で作られており、白樫は狂いが少ない安定した材料として、鉋台によく使用されています。

ホームセンターなどで販売されている2,000~3000円代の鉋には、白樫よりも柔らかい木材で作られたものもあり、鉋台がすぐ狂ってしまう傾向があるので、この商品は良い方だと思います。

ただ、刃口などの加工部分は雑な気がします。

本体の表面部分も綺麗とは言えないです。値段相応って感じですね。

鉋刃の調整具合

次に鉋刃を調整のし易さを見ていきます。
調整方法は、刃を叩いたり、写真のように本体叩いたりして、刃口からので具合を調整します。

鉋刃の調整方法についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、良かったらご参考ください。
鉋の正しい使い方!木工職人が基礎知識からメンテナンス方法まで詳しく解説

しかし、ここで問題が発生。
刃が硬すぎて全然動きませんでした。取り出そうとしても全く動かない、、

Amazonの購入レビューでも同じようなことが書いてあったので、商品全体的にこのような傾向があるのかと思います。

でも大丈夫です。
そんな時は刃物用の油を刺すと簡単に取ることが出来ます。

私が使ったのはこれ、今まで苦労したのが嘘かのように簡単に取れました。

私は叩きすぎて、少し角が潰れてしまいました泣
もっと早くきづけばよかった、、

刃物の状態

刃物の材質は公式には記載がありませんが、鉋台に安来鋼青紙という記載と、刃表に「青2」という刻印があるので、おそらく安来鋼青紙2号(別名:青紙鋼2号)を使用しているのかと思います。

鉋刃の代表的な材質には、白紙鋼・青紙鋼・スウェーデン鋼の3つがあり、その中でも「青紙鋼2号」は切れ味・刃の欠けにくさ・切れ味の持続性のバランスがよく、汎用性が高い鋼材と言われています。

刃の状態については、刃の欠けは無かったものの、少し錆びていました。
仕込み具合もイマイチな気がします。

実際に使用してみると、切れ味は悪かったので研ぎ直す必要があります。

鉋刃の研ぎ方についてはこちらの記事をご参考ください。
鉋刃の研ぎ方|木工職人が砥石の選び方から研ぎ方のコツまで詳しく解説

 

全体的にみると、本体や刃物に使用している材料は、鉋に使われている一般的な材料でチープさは感じませんが、加工部分のクオリティーは低いと思いました。でもこの価格の安さなので全然気になりません。

 

初心者にはオススメできない理由

この商品を購入する時は、価格の安さもあって超初心者向けの鉋なのかなと思っていましたが、正直全くの素人にはオススメできません。

その理由は、使用するためには鉋台の仕込みが必要だからです。

商品が届いてすぐ使おうと思っても、刃物がキツすぎて刃を出すことができませんでした。
なので、使用するためには自分で鉋台を削って調整する必要があります。
逆に自分で調整することができれば、コスパが良い商品だと思うのでオススメです。

仕込み方法は、やり方さえわかれば簡単なので、最後に仕込み方法を説明していきます。

南京鉋の仕込み方法

1. まず、刃物を本体から取り出します。

2. 取り出したら、写真のように鉛筆で表全体と側面に墨をつけます。

3. 全体に満遍なく墨をつけたら、鉋台にキツくなる所まではめ込みます。

4. もう一度取り出し、本体の黒い部分を確認します。

5. その黒い部分を鑿で薄く削ります。このとき削りすぎないように注意しましょう。
側面の溝については、小さい鉋の場合鑿が入らないので、薄い板にペーパーヤスリを貼り付けて削ります。(他に良い方法があれば教えてください)

6. 削り終わったらもう一度刃をはめ込み、入り具合を確認します。
この作業を刃が出るまで繰り返します。

この作業のポイントとしては、少しずつ削って調整していくことが大切です。
削りすぎると刃が緩くなってしまい逆に調整できなくなってしまいます。
もし緩くなってしまった場合は、刃と本体の間に紙を挟んで調整する方法もあります。

刃の出具合の調整が終わったら、刃物を研いで仕込み完了です。

【参考になる記事】

鉋の正しい使い方!木工職人が基礎知識からメンテナンス方法まで詳しく解説
鉋刃の研ぎ方|木工職人が砥石の選び方から研ぎ方のコツまで詳しく解説

 

まとめ

本日は、Amazonで購入できる「藤元」の南京鉋を紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか。

私の結論としては、この商品は初心者の方にはオススメできませんが、鉋の仕込み方法がわかる人にはオススメです。

価格が安く、商品のクオリティも悪くはないので、コスパは良いと思います。

仕込み方法も難しくはないので、南京鉋を使ったことがない人でも、仕込みから学べる入門編として入手するのも良いのかなと思いました。

 

以上、「Amazonで格安の南京鉋を購入してみた|使用感や仕込み方法を詳しく解説」の記事でした。
最後までお読み頂きありがとうございました。