日々のお手入れは適当でOK!木工職人が教える無垢材のメンテナンス方法 〜テーブル編〜

DIY

無垢材のメンテナンスって大変でめんどくさいと思っていませんか。
これから無垢の家具を購入しようとしている方、そんなことで悩まなくても大丈夫です。

実は、とても簡単です。

そこで本日は、一枚板のテーブルを例に、日々のメンテナンス方法や傷の補修方法を紹介させて頂きます。

説明する前に大事なお知らせ

これからメンテナンス方法や補修方法を紹介させて頂く前に、
反りや割れで悩んでいる方は、すぐお近くの家具工房に行くことをお勧めします。

その理由は、
反りや割れを直すためには、電動工具やノミ、鉋を使用して補修するので、高度な木工技術が必要となるからです。

職人でも難しい部分があるので、素人の方では、到底補修することはできません。
諦めてお近くの家具工房に行きましょう!

塗装の種類を確認する

無垢材のメンテナンス方法は、仕上げ塗料の種類によって変わります。

仕上げ塗装には、自然塗料のオイル仕上げウレタン塗装の2種類があります。

オイル仕上げは、自然由来の植物油を使用するのが一般的で、木材の内部に浸透させ、汚れを弾いて木材を守ります。
ウレタン塗装は、木材の周りに樹脂をコーティングすることで、汚れから木材を守ります。

オイル仕上げは、艶が少なく、しっとりとした生地に近い仕上がりに対し、
ウレタン塗装は光沢があり、ツルツルとした肌触りになるのが特徴です。

2つの塗料を見極めるポイントは、
材料を斜めから観察した時、木目が見えなくなるような光の反射で、木目が感じられないツルツルとした肌触りであれば、ウレタン塗装になります。

日々のお手入れ方法

PexelsKetut Subiyantoによる写真

「無垢材は水拭きNG」とよく聞きますが、一枚板のテーブルの場合は問題ありません。

そもそもなぜ水拭きがNGかと言うと、木材内部に水が浸透することで、伸縮し反り、割れやシミが生じるからです。
でも、分厚い一枚板の場合は、多少の水吹きではびくともしません。
また、ウレタン塗装はもちろん、オイル塗装である程度の水は弾くので、なんの問題もありません

ただ、吹いた後に水分が残ってしまうと、シミになる可能性があるので、固く絞った布巾で綺麗に拭き取るようにしましょう。
木材が水に弱いのは事実なので、長時間水に付けないという「心掛け」が大切です。

それではお手入れのやり方を紹介します。

「埃をとって、乾拭き、又は水拭きする。」

以上。

どうですか、簡単ですよね。というか普通ですよね。

そうなんです。特別なにかをしなきゃいけない、ということは無いのです。
日々のお手入れは、適当に水拭きで十分。
ただ、長く美しく使用するためには、年に1度のオイルメンテナンスは行ったほうがいいでしょう。

年に1回のお手入れ方法

PexelsOno Kosukiによる写真

ウレタン塗装の場合

ウレタン塗装の場合は、表面に樹脂がコーティングされているので、一度全てを剥がす必要があります。
電気サンダーで表面を削る際に、体に悪い塗膜の樹脂が舞い散るので、室内での作業はお勧めしません。
作業を行う際は防塵マスク、溶剤に強い手袋をしっかりと装着しましょう。

Step1
電気サンダー(サンドペーパー#80〜#150を使用)で表面を荒く削り、表面の塗膜を剥がします。

Step2
サンドペーパーを#240に変えて、もう一度全体を削り、表面を滑らかに整えます。

Step3
削りかすを綺麗に拭き取り、ハケを使って、木目の方向に合わせて全体にウレタン塗料を塗ります。

Step4
乾燥後、電気サンダー(サンドペーパー#400を使用)で、表面のザラツキを取り除きます。

Step5
再度、ハケを使って、全体にウレタン塗料を塗ります。

以上でメンテナンスの完了です。
塗り重ねるごとに塗膜の厚みが増し、強度や光沢が強くなるので、お好みで調整してください。

オイル仕上げの場合

オイル仕上げは、木材の内部に塗料が染み込んでいます。
ウレタン塗装のように、頑張って表面をガンガン削る必要はなく、ある程度電気サンダーで表面を整えてオイルを塗ります。

Step1
電気サンダー(サンドペーパー#240を使用)で全体を削ります。

Step2
ハケを使って、木目に沿って薄く伸ばすのではなく、全体にたっぷりとオイルを塗ります。

Step3
10〜15分程乾燥後、ウエスを使って余分はオイルを拭き取ります。

Step4
1日乾燥させ、電気サンダー(サンドペーパー#400を使用)で全体を整えます。

Step5
再度、ハケを使って全体にたっぷりと塗ります。

Step6
10〜15分程乾燥後、ウエスで拭き取り、十分に乾燥させたら完了です。

補修方法

日々使っていくなかで、傷や凹みは避けて通れません。
でも、だからこそ無垢の家具が良いんです。

無垢材は、ある程度の傷や凹みは素人の方でも治すことができます。
ただ、オイル仕上げの家具と比べて、ウレタン塗装の補修は少し大変です。

なぜかというと、
ウレタン塗装の場合の補修は、一度塗膜を剥がす必要があるので、
オイル仕上げに比べて工程が多いからです。

また、部分的なウレタン塗装はムラが目立ちやすいので、
綺麗に仕上げたい場合は、全体を削って再コーティングをする必要があるのも難点です。

それ以外の補修方法はどちらも同じなので、まとめて解説していきます。

傷の補修

傷の補修は、パテとサンドペーパー(#150~#240)を使用します。

Step1
サンドペーパーで傷がある箇所の塗膜を削ります。

Step2
パテで傷を埋めます。パテは乾燥すると体積が小さくなるので、平に塗るのではなく、少し盛るのがベストです。

Step3
乾燥したら、サンドペーパーで平に削ります。

Step4
先ほど紹介したメンテナンス方法で、補修箇所を塗装します。

へこみの補修

へこみの補修は、熱湯、場合によってはアイロンを使用します。
木は水分を吸収すると膨張するので、これを利用して、へこんだ箇所を濡らして、内部から押し上げることで治します。

Step1
オイルや塗膜があると、水分を吸い込まないので、まずはサンドペーパーで表面を削ります。

Step2
へこんだ箇所を熱湯で濡らし、数分放置します。大きいへこみの場合は、濡らした布を挟んでアイロンを数分当てます。

Step3
へこみが戻ったら、サンドペーパーで表面を整えて、再度塗装をしたら完了です。

このように、ある程度の傷やへこみであれば、簡単な道具で素人の方でも補修することができます。

まとめ

無垢材のメンテナンス方法はいかがだったでしょうか。

「無垢材=手間がかかる」と思われがちですが、実はとても簡単です。

日々のお手入れは、特別何かをしなければならないという事はなく、さっと水拭きでOK。
ただ、木が水に弱いのは事実なので、長時間水に触れさせないという「心掛け」が大切です。

そして年に1度、2年に1度でも良いと思います。しっかりとメンテナンスをしてあげることで、
ずっと美しく、次世代まで使い続けることができるのが無垢の家具です。

今、無垢の家具をお持ちの方は、今一度メンテナンス方法を見直してみてはいかがでしょうか。

以上、「日々のお手入れは適当でOK!木工職人が教える無垢材のメンテナンス方法 〜テーブル編〜」の記事でした。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!